学習船「うみのこ」就航40周年

VOICE
うみのこ就航40周年のごあいさつ

滋賀県知事 三日月 大造

滋賀県知事

三日月 大造

びわ湖フローティングスクールの充実、発展を祈念して

 雄大で美しい琵琶湖とそれを取り巻く山々、そして自然とのつながりの中で育まれてきた独自の歴史などの生活文化が息づく滋賀県は、環境学習のフィールドとしても大きな潜在能力を有しています。琵琶湖の豊かな自然は、私たちの暮らしに大きな恵みをもたらしてくれています。滋賀県民はもちろん、淀川流域に暮らす約1470万人の人びとも、かけがえのない「Mother Lake ~母なる湖」としてたたえています。環境を取り巻く社会の変化や環境に対する意識の変化などを踏まえつつ、持続可能な社会づくりを目指す中で、命の基盤であり、命をつなぐ場でもある琵琶湖を、恵み豊かな状態で未来へとつなぐことは、私たち滋賀県民の使命です。

 その中で、学習船「うみのこ」によるびわ湖フローティングスクール事業が就航40周年という大きな節目を迎えられたことは非常に感慨深く、関係者の皆様の長きにわたる御尽力に深く敬意と感謝を申し上げます。これまでに60万人を超える子どもたちが乗船しており、琵琶湖を舞台に、自然に対する理解を深め、環境に主体的に関わる力や思いやり、協力し合う心を育てる、貴重な体験学習の場となっています。滋賀の小学校の卒業生は年齢を問わず、地域を問わず、みんなが共通の体験を持つことになります。このように、県内の全ての小学5年生が参加するフローティングスクール事業は、日本はもとより、世界でもまず例を見ない、滋賀県が世界に誇ることのできる教育事業です。

 滋賀の教育に根づき、琵琶湖に抱かれる体験をとおして自然のすばらしさを感じ、琵琶湖を愛する心を育てるびわ湖フローティングスクールに寄せられる期待とその役割は大きく、これからもしっかり守っていかなければならないと考えています。子どもたちが、ともに学び合う中で絆を深め、感動、本物、仲間などを実感できる環境学習が行われるよう期待しています。

 これからも学習船「うみのこ」が、未来を担う子どもの夢と希望を乗せ、安全で充実した航海を続けていくことを心から願っています。

滋賀県教育委員会教育長

福永 忠克

学習船「うみのこ」就航40周年によせて

 学習船「うみのこ」就航以来、多くの方々に支えられてびわ湖フローティングスクール事業が40年という節目を迎えましたことを大変うれしく思いますとともに、関係者の皆様には心から感謝し、御礼申し上げます。

 昭和58年、本県の様々な教育課題に対する改善の方策として、琵琶湖を舞台にした宿泊型の教育を展開し、環境に主体的に関わる力や人と豊かに関わる力をはぐくむことをねらいとして本事業が誕生いたしました。以来、40年の歴史を刻み、60万人以上の子どもたちが、琵琶湖と関わる体験活動を行ってまいりました。この『60万人』という数字は、本県の人口の約5分の2にあたり、今では就航当時に乗船した児童が教員や保護者となって再び乗船したり、さらには親子2代で乗船経験があったりするほどです。このフローティングスクール40年間のあゆみが滋賀県民の誇りとなり、今や「うみのこ」は、親しみと愛着をもって見守られています。そして、日本はもとより世界からも注目される滋賀県を代表する教育事業となっています。

 40年という時代の変化と共にフローティングスクールでの学習も、GIGAスクール構想や琵琶湖の環境に関する今日的課題に即して、年々、工夫改善が図られてきました。平成30年(2018年)6月に就航した2代目学習船「うみのこ」は、船内Wi-Fiを活用し、端末を使っての学習や活動を行っている部屋と部屋を映像でつなぐリモートでの学習が可能となるなど、ICT機器等の船内設備も充実しています。近年、急速に進んでいるIT社会における情報化の波の中で、ICT機器を活用しながら体験的に琵琶湖の環境を学ぶことは、子どもたちにとって貴重な学びの場となっています。「みずうみに学んで世界の明日をみる」というフローティングスクールのテーマどおり、フローティングスクールで学んだ「湖の子」たちそれぞれが、地球規模の環境をはじめとする様々な課題に目を向けながら、自らできることに主体的・探究的に取り組んでくれるよう願っております。

 本県が誇りとするフローティングスクール事業の充実・発展に向け、引き続き、皆様の温かい御支援、御協力を賜りますようお願い申し上げます。

学習船「うみのこ」船長

松林 由忠

未来への航路を拓く「うみのこ」

 学習船「うみのこ」の就航40周年、おめでとうございます。日頃より本船の安全運航に協力いただいている関係者の皆様に、心から感謝申し上げます。

 現在、「うみのこ」船長として乗船していますが、安全航海の要として次の2つの姿勢で臨んでいます。

 1つ目は、航海中は刻々と変わる琵琶湖の状況や風の状況を見ながら、常に「最悪を想定しつつ最善を尽くす」ことです。

 2つ目は、やはり、「自然は常に人の上にある」という意識をすることです。自然に対して常に謙虚でなくてはならない、侮るととんでもないしっぺ返しにあうということを決して忘れてはならないと思っています。

 また、160人程の子どもたちが狭い船内で2日間生活するわけですから、自分勝手な行動は許されません。お互い気持ちよく生活していくにはどうしたらいいのか考え、行動に移せる人になってほしいです。「船は人をたくましくする。」という言葉があります。船という限られた空間の中での生活は、工夫と努力と忍耐が求められ、豊かな生活に慣れた子どもたちを自然にかえします。船こそ、たくましい子どもたちを育てるのにふさわしい生活学習の場であると言えます。2日間の航海で心身ともにたくましく育ち、全員元気に下船する姿を見送るときが、「うみのこ」船長としての喜びと誇りを感じる瞬間です。これからも、「湖の子」たちが大きく成長し、飛躍してくれることを、そして学習船「うみのこ」が、子どもたちの豊かな人間性と自然に対する尊敬や感謝の心をはぐくむ場として活躍し続けることを願っています。

 40年の歴史を刻んだびわ湖フローティングスクール。今後、関係の皆様方の情熱のもと、「船でこそできる教育」「船でしかできない教育」の充実が図られ、日常生活では学びがたい体験学習が繰り広げられることによって、「夢と希望」が膨らむフローティングスクールとしてますます発展していくことを御期待申し上げております。

びわ湖フローティング
スクール所長

安江 利光

希望の船「うみのこ」就航40周年を記念して

 『希望の船よ 希望の船よ 湖の子よ』これは、湖の子周航歌「希望の船」の私の大好きな一節です。就航から40年、今まで何度歌われてきたことでしょう。思いを馳せるだけで歴史の重みを実感し、今こうしてフローティングスクール事業に携われていることを誇りに感じます。びわ湖フローティングスクールは本年度40周年を迎え、60万人を超える児童が、学習船「うみのこ」で雄大な琵琶湖を舞台に学び、巣立っていきました。この間、乗船校の教職員の皆様はもとより、多くの関係機関、団体の皆様を始め、保護者や地域の皆様方に支えられて、安全で有意義な学習航海を創りあげてくることができました。関係の皆様方に深く敬意を表しますとともに、心から感謝申し上げます。

 本年度で、2代目「うみのこ」は就航6年目を迎えます。新型コロナウイルス感染症の影響で見合わせていた1泊2日での児童学習航海も4年ぶりに再開することができました。期待や不安の中、迎えた出航式では、「フローティングスクールを楽しみにしていましたか」との問いかけに、ほぼ全員の児童がキラキラしながら元気よく手を挙げている様子を見て胸が熱くなりました。わずか30時間余りの航海の中で、子どもたちは琵琶湖や滋賀県のことを精一杯学ぶとともに、新しい友だちと出会い、友情をはぐくみます。そして、航海を終えた子どもたちは、明るい笑顔と打ち解けた雰囲気の中で、やり遂げた喜びとたくさんの感動や思い出を胸に下船していきます。

 季節や時間によってその都度表情を変える琵琶湖は、自然の持つ「美しさや豊かさ」、「不思議や神秘」、「厳しさや怖さ」などをとおして、初めて湖上で学ぶ子どもに、驚きや感動をもたらしてきました。感動は、人の心をゆさぶり、それを大きく成長させます。将来、自然を愛し、環境に気を配ることのできる人間は、自然の美しさ、雄大さ、不思議さに感動した経験のある人間だと思っています。

 40年前、びわ湖フローティングスクール誕生に携わった先人の思いを今もしっかりと受け継ぎ、今後も子どもたちが豊かな心をはぐくむとともに、琵琶湖の恵みに感謝し、ふるさと滋賀をいつまでも愛し、守り、育てていこうとする体験学習の場となるよう努めていきたいと考えております。40年間続いてきた、安心安全な航海が切れることのないよう取り組んでまいりますので、今後とも、皆様の御指導や御支援、御協力をよろしくお願いいたします。

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